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教育プログラム

京都大学では、皆さんの知識の幅を広げ、将来の活躍の糧となるよう、大学院共通・横断教育の実施、各種教育プログラムの運営を行っています。 

大学院共通・横断教育

修士・博士課程を修了して、将来、アカデミアであれ産業界・官公庁であれ、社会で広い視野をもちリーダーとして活躍するためには、専門学術以外にも素養として備えておくべき事柄があるはずです。 
京都大学では、このような観点から、すべての大学院生の共通基盤となる「大学院共通科目群」が企画され、3つの分野(社会適合分野、情報テクノサイエンス分野、コミュニケーション分野)の科目が開講されています。 
また、研究科が開講する科目の中で、他研究科学生の履修にも配慮され、多くの専門分野の共通基盤となりうる科目、多数の研究科の大学院生が受講するに相応しい横断的な教育内容の科目は、「大学院横断教育科目群」として履修できるように整備されています。 

大学院教育支援機構教育コース

京都大学大学院教育支援機構では、多様化する社会ニーズにこたえる人材を育成するため、以下のコースを開講しています。大学院共通科目群・大学院横断教育科目群のうちから所定の指定科目の単位を修得し、セミナー等の日程を終了した学生には、総長名のコース認定書が授与されます。 

2025年度のコース登録については、以下をご確認ください。
大学院生向けの8種類のコース「大学院教育支援機構教育コース」について

産学協同教育コース

起業マインド・アントレプレナーシップを発揮して社会に新たな価値を創出する

自らが専門領域で創造した研究成果を大学や研究機関だけでなく広く社会に展開するために必要な、起業マインド、知財、資金調達、起業を成功に導く法律、ファイナンスの知識を学ぶとともに、ベンチャー企業創業者・大手企業役員との討議により企業戦略や外部連携の実例にも触れることができます。また、実際に起業を体験する実践ワークショップや、研究インターンシップへの挑戦も歓迎しています。 

教育能力向上コース

学生の主体的な学びを促す授業設計能力・運営能力を身に付け大学教員としてのキャリアを実現する

大学教員を目指す大学院生の教育力向上に対して社会からの要請が高まるなか、自らが専門とする研究内容を初学者や異分野を専門とする学生にも分かりやすく伝える能力を身に付けるための講義・演習、実践授業や模擬授業に取り組みます。また、学生の健康や安全、人権、障害等への意識を高める講義を受講します。 

グローバル生存学コース

グローバル人材が身に着けるべき、コミュニケーション力、研究・開発の計画力と推進力、自ら課題を発見する能力などを涵養する

現代の地球社会では、巨大自然災害、突発的人為災害・事故、環境劣化・感染症などの地域環境変動、食料安全保障、といった危険事象や社会不安がますます拡大しています。本コースでは、「グローバル生存学」(Global Survivability Studies, GSS)という新たな学際領域を継承し、地球社会・地域社会における安全安心の担保に寄与できるグローバル人材が身に着けるべき、コミュニケーション力、研究・開発の計画力と推進力、自ら課題を発見する能力などを涵養します。本コースの科目構成は広い学問分野をカバーしており、コースを履修することで専門性の高い知識に加えて、周辺分野や異分野について理解を深めることができます。

デザイン学コース

デザイン学の思考方法論の基本を修得し、複合的かつ複雑な社会問題に取り組む

現代社会は複合的で複雑な様々な問題に晒されています。特に、複合的かつ複雑な問題解決には、異なる分野の専門家が協働して当たる必要があります。このような協働活動には、特定の分野に特化した専門知識に加え、専門領域を超えて問題を把握するためのデザイン実践と複雑化する問題に本質的にアプローチするための方法論が必要とされます。
本コースは、教員のレクチャーだけではなく、京都大学デザインスクールをサポートするデザインイノベーションコンソーシアムや海外の大学と連携した演習等を組み合わせることにより、知識だけではなく、実践的な能力の修得を目指します。さらに、将来より専門的にデザイン学を学ぶための基礎としても位置付けられます。

数学・数理科学イノベーション人材育成強化コース

数学の諸分野を活用・展開して新たな価値を見出す能力やグローバルな視点を備え国際的に活躍できる能力を涵養する

数学はその普遍的な性質により、自然科学は勿論のこと、情報科学や社会科学など多くの分野に共通する理論的基盤となっています。
本コースは、数学・数理科学の様々なテーマに触れることで諸分野における数学の可能性を知る機会を提供し、数学・数理科学を基盤とする分野における幅広い視野を備えた人材の育成や高度な技量を備えた国際人材の育成に重層的に寄与することを目的とします。

サステナビリティ総合知コース

持続可能な社会の実現に向け、俯瞰的視野で環境問題の解決に取り組むために必要となる総合知の基礎力を涵養する。

本コースでは、カーボンニュートラルで持続可能な社会の実現を目指し、環境問題に対する総合的な視点と解決力を養います。具体的には、国際情勢や経済、資源問題といった多角的な視野を持ちながら、現在直面する環境課題に取り組む知見を身につけます。また、サステナビリティという複雑な構造を深く理解し、文系・理系の枠を超えた分野横断的な学術研究を推進するための基盤を提供します。
このコースを通じて、総合知の基礎力を習得し、未来の環境問題解決に貢献できる広い視野と実践力を身につけることを目指します。

ウェルビーイング総合知コース

ウェルビーイングの社会的背景について理解を深め、具体的な実践的問題解決に取り組むために必要となる総合知の基礎力を涵養する。

本コースでは、ウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)の社会的背景を理解し、実践的な問題解決力を養います。人文・社会科学と自然科学の視点から基礎知見を学び、総合知の方法論や分野横断的な研究手法を習得することで、地球規模の課題に柔軟かつ効果的に対応する力を身につけます。

フロンティア開発総合知コース

現代社会のフロンティアとして宇宙開発および国際開発を取り上げ、課題解決の具体的な実践方法と自ら考えるための総合知の基礎力を涵養する。

本コースでは、宇宙開発(月・火星の基地建設や資源探索)と国際開発(途上国支援、平和構築など)をテーマに、課題解決に必要な総合知の基礎力と実践力を養います。受講者は、いずれかの分野に焦点を当てつつ学際的な視点を身につけ、地球規模の課題に対応する幅広い視野と実践力を培います。

博士課程教育プログラム

学位付記を行う大学院横断プログラムには、以下のものがあります。 

卓越大学院プログラム

各大学が自身の強みを核に、これまでの大学院改革の成果を生かし、国内外の大学・研究機関・民間企業等と組織的な連携を行いつつ、世界最高水準の教育力・研究力を結集した5年一貫の博士課程学位プログラムを構築することで、あらゆるセクターを牽引する卓越した博士人材を育成するとともに、人材育成・交流及び新たな共同研究の創出が持続的に展開される卓越した拠点を形成する取組を推進する事業です。 
京都大学では、下記のプログラムが採択されています。本学及びプログラムの特長を生かした教育プログラムを展開し、新たな知の創造と活用を主導し、時代を牽引する価値を創造するとともに、社会的課題の解決に挑戦して、社会にイノベーションをもたらすことができる博士人材(高度な「知のプロフェッショナル」)の育成に取り組んでいます。 

博士課程教育リーディングプログラム

優秀な学生を俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くため、国内外の第一級の教員・学生を結集し、産・学・官の参画を得つつ、専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した世界に通用する質の保証された学位プログラムを構築・展開する大学院教育の抜本的改革を支援し、最高学府に相応しい大学院の形成を推進する事業です。 
京都大学では、平成25年度までに5つのプログラムが採択されています。本学で実施している5つのプログラムは、それぞれの特長を生かした教育プログラムを展開し、グローバルな競争環境において研究者以外にも様々な分野でリーダーシップを発揮し活躍できる人材育成に取り組んでいます。